デイサービス(地域密着型通所介護)の開業を目指す経営者の皆様、こんにちは。 横浜・東京エリアで介護事業の立ち上げを伴走支援するCOREZO(コレゾ)の山田です。
全12回でお届けしている「デイサービス開業・失敗しないための完全ガイド」。 前回の第6回では、指定申請の「書類作成地獄」についてお話ししました。無事に書類の目処が立ち、ホッと一息……と言いたいところですが、ここで「もう一つの巨大な壁」が立ちはだかります。
それが、スタッフの「採用」と「定着」です。
介護業界は慢性的な人手不足。「求人を出せば誰か来るだろう」という甘い考えでは、オープン前に人員基準(常勤換算)を満たせず、開業が延期になるという最悪の事態を招きかねません。 今回は、社会保険労務士の視点から「いい人材が集まり、長く働いてくれる組織づくり」の極意をお伝えします。
1. 「とりあえずハローワーク」の落とし穴
開業準備で資金に余裕がない時、無料で出せるハローワークは非常に魅力的です。もちろん活用すべきですが、「ハローワークだけに頼る」のは危険です。
今の時代、求職者の多くはスマートフォンで仕事を探します。 「給与」「勤務地」といった条件面だけで検索されると、どうしても大手法人や、資金力のある既存の事業所に負けてしまいます。
新規オープンの強みは、「人間関係がゼロからスタートできること」と「経営者の理念(想い)に共感して一緒に施設を作っていけること」です。 求人票には、単なる条件だけでなく、「なぜこの地域でデイサービスを開くのか」「どんな雰囲気の職場にしたいのか」というストーリーをしっかりと盛り込むことが不可欠です。
2. 「誰でも歓迎!」が引き起こすミスマッチ
人員基準を満たすために焦るあまり、求人に「未経験大歓迎!」「年齢不問!誰でもできます!」と書いていませんか?
実はこれ、「すぐ辞めるスタッフ」を引き寄せてしまう一番の原因です。 「誰でもできる簡単な仕事」と思って入社した人は、実際の介護現場の大変さや、オープニング特有のバタバタした状況に直面すると、「思っていたのと違う」とすぐに離脱してしまいます。
求人には、「求める人物像」と「仕事のリアルな大変さ(と、それを乗り越えるやりがい)」を正直に書く勇気が必要です。結果的に、その理念に共感した「芯のある人材」が集まりやすくなります。
3. 面接で絶対に見るべき「たった一つのポイント」
いざ応募が来て面接をする際、履歴書の「資格」や「経験年数」ばかりを見ていませんか? もちろん有資格者は貴重ですが、それ以上に重視すべきポイントがあります。
それは、「他責思考でないか(人のせいにしないか)」です。
- 「前の職場は、管理者が最悪で……」
- 「周りのスタッフが仕事をしなくて……」
面接で前職の退職理由を聞いた際、このように「環境や他人のせい」にする発言が多い方は、要注意です。オープニングの事業所は、想定外のトラブルが毎日起こります。その時に「みんなでどう解決するか」を前向きに考えられる人(自責思考の人)でないと、チームの空気が一気に悪くなってしまいます。
4. 採用とセットで考える「助成金」の活用(社労士の裏ワザ)
実は、新しいスタッフを雇用する際、国から支給される「助成金」を活用できるケースが多々あります。 例えば、経験の少ない未経験者を雇い入れて計画的な研修を行う場合や、正社員化の制度を設ける場合などです。
しかし、助成金には「事前に計画を立てて、役所に申請しておかなければならない」という絶対ルールがあります。 「スタッフを雇ってから」「オープンしてから」では、もらえるはずだった数百万円の助成金がパーになってしまうのです。

5. まとめ:許認可と労務は「同時進行」が鉄則
デイサービスの開業は、「行政書士としての許認可(ハード面)」と「社会保険労務士としての採用・労務管理(ソフト面)」の2つの車輪が揃って、初めて前に進みます。
当事務所は、ダブルライセンスの強みを活かし、「指定申請の手続き」を進めながら、並行して「求人票の添削」「適法な雇用契約書の作成」「助成金の事前申請」までをワンストップで伴走サポートいたします。
「人員基準を満たすシフトが組めるか不安」「採用費用を助成金でカバーしたい」とお悩みの経営者様は、ぜひお早めにご相談ください。
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次回予告: スタッフも揃い、無事にオープン!……しかし、本当の試練はここからです。 次回、第8回は「経営者の頭を悩ませる『処遇改善加算』の罠。取らないとスタッフが逃げる!?」について、社労士の視点で分かりやすく解説します。


