新年度がスタートし、入社手続きや業務の引き継ぎで慌ただしい日々をお過ごしの経営者様も多いと思います。歓迎ムードの一方で、経営者の皆様を悩ませるのが、意外と見落とされがちな「36協定(時間外・休日労働に関する協定届)」の更新と労働基準監督署への提出です。

多くの企業では、会社の決算期や年度の始まりである「4月1日」を36協定の起算日として設定しています。 この記事では、36協定の提出を忘れた場合のリスクと、特に建設業の経営者様が今年度注意すべき労務管理のポイントについて解説します。

「更新忘れ」がもたらす重大な法令違反のリスク

従業員に法定労働時間(原則1日8時間、週40時間)を超えて残業をさせる場合、または法定休日に労働させる場合には、必ず労使間で36協定を締結し、労働基準監督署へ届け出る必要があります。

もし、有効期間が切れた状態(更新忘れ)で従業員に残業をさせた場合、その残業はすべて「違法な時間外労働」となります。 この状態が労働基準監督署の調査で発覚すると、是正勧告を受けることになり、最悪の場合は労働基準法違反として罰則(6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金)の対象となる可能性があります。 更新手続きは、法令遵守の観点から非常に重要です。

建設業における労務管理の「実態」と専門家の役割

(予測)2024年4月から建設業にも時間外労働の上限規制が適用され、2年が経過した現在、労働基準監督署による建設業者への労働時間調査は、より一層厳格化していくと予測されます。

建設業において「特別条項付きの36協定」を提出する場合、単に書類を作成するだけでなく、実際に従業員がその上限時間の範囲内で働いているか、日々の労働時間を正確に記録・管理する体制が求められます。書類上の数字と実際の労働時間が乖離していると、重大な法令違反とみなされます。

ここで、36協定の作成と提出の手続きを、自社で行うか専門家(社労士)に依頼するかについて、利点と欠点を挙げます。

専門家に依頼する利点

  • 最新の法改正に対応した正確な協定届を作成でき、労働基準監督署での不受理や指導のリスクを確実に回避できます。
  • 特別の事情が生じた際に残業時間を延長できる「特別条項」を設ける場合など、複雑な要件を満たすための書類作成の手間と時間を大幅に削減できます。

専門家に依頼する欠点

手続きの代行費用(外部委託費)が毎年発生するため、自社の従業員が処理する場合と比較して直接的な金銭的コストがかかります。

この記事の詳細な説明の要点は以下の通りです。

Main points

起算日を4月1日に設定している企業は、速やかに36協定を更新し労働基準監督署へ提出する必要がある。

提出を忘れて残業させた場合は労働基準法違反となり、罰則の対象となるリスクが存在する。

建設業への上限規制適用から時間が経過しており、実際の労働時間と協定内容が一致しているかの厳格な管理が求められている。

手続きを社労士に依頼することで費用は発生するが、正確な書類作成と大幅な業務時間の削減という利点がある。

【東京・神奈川】建設業許可と労務管理のセットサポート

当事務所では、行政書士としての建設業許可サポートに加え、社会保険労務士として36協定の作成・提出代行、実態に即した労働時間管理のアドバイスを行っております。
東京・神奈川エリアの経営者様で、新年度の労務手続きに不安がある方は、ぜひ一度ご相談ください。

情報源:厚生労働省 36協定で定める時間外労働及び休日労働について( https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/1_6_bt_000080.html