新しい年が始まり、経営者の皆様におかれましては今年の事業計画を立てられている時期かと存じます。本年、実務面で最も大きなインパクトを与えるトピックの一つが「社会保険の適用拡大」です。
本日は、2026年以降の社会保険制度がどのように変わり、企業としてどのような準備が必要になるのかを整理してお伝えします。
1. 2026年、社会保険の加入対象はどこまで広がるのか
これまで「従業員数51人以上の企業」が対象だった短時間労働者への社会保険適用ですが、2026年はさらなる転換期を迎えています。
- 企業規模要件のさらなる引き下げ: 段階的な引き下げを経て、現在はより小規模な事業所まで適用範囲が広がっています。
- 週20時間以上の労働者がターゲット: 「週の所定労働時間が20時間以上」かつ「月額賃金が8.8万円以上」であれば、正社員でなくても社会保険への加入が義務付けられます。
これにより、これまで「うちは小さいから関係ない」と考えていた小規模事業主の方も、無視できない状況になっています。
2. 経営への影響と「人件費」の考え方
社会保険への加入は、従業員にとっては将来の年金額増加などのメリットがありますが、企業にとっては「法定福利費」というコスト増を意味します。
- 利点: 手厚い保障を提供することで、求人時の採用力が向上し、長く働いてくれる優秀な人材を確保しやすくなります。
- 欠点: 会社負担の社会保険料(給与の約15%前後)が純増するため、利益率を圧迫する可能性があります。
事前のシミュレーションなしに直前で対応すると、資金繰りに影響が出る恐れがあるため注意が必要です。
3. 今すぐ取り組むべき「2つの対策」
2026年の早い段階で、以下の2点を確認することをお勧めします。
- 対象者のリストアップと面談: 現在、週20時間前後で働いている従業員を抽出し、加入義務が生じるかどうかを確認してください。本人の「働き方の希望」を早めに聞き取ることがトラブル防止に繋がります。
- 「年収の壁」支援策の活用: 政府は、社会保険加入による手取り減少を防ぐための助成金制度(年収の壁突破パッケージ等)を継続しています。これらを活用し、無理のない移行計画を立てることが重要です。
まとめ:2026年は「攻め」の労務管理を
社会保険の適用拡大は、単なるコスト増ではなく「従業員の安心を支える投資」と捉えることができます。法改正をきっかけに、現在の労働条件や就業規則を見直してみてはいかがでしょうか。
当事務所では、社労士として社会保険の手続きを、行政書士として会社運営の基盤構築をワンストップでサポートしております。具体的なシミュレーションや助成金の活用については、お気軽にご相談ください。
要点のまとめ
- 適用拡大: 2026年は小規模企業も社会保険加入が本格的に求められる年。
- コスト増への備え: 会社負担分の保険料をあらかじめ計算し、経営計画に盛り込む。
- 助成金の活用: 手取り減少対策として、国が用意している支援策を使い切る。
参考・引用元:


